Yellowfinのサーバ要件は、実行するレポートのタイプ、エンドユーザーの閲覧習慣、スケジュール設定されたバックグラウンドタスクの数などに大いに依存します。これらの要因に基づき、ユーザーに対応できる環境を提供できることが重要です。
Yellowfinの環境は、複数ノードで構成されたクラスタにアプリケーションサーバを導入することで、垂直的(単一サーバにプロセッサを追加)にも、水平的にもスケール可能です。Yellowfinのクラスタガイドでは、Yellowfinのクラスタ環境構成について詳細に説明しています。
以下のサーバ要件は、Yellowfinのアプリケーションユーザーの体験を元に提供されていますが、レポートの生成や、フィルター値の読み込み、テーブルへの結果のキャッシュなど、データソースにクエリーを発行する任意のYellowfin機能は、Yellowfin環境外のシステム性能に影響を受けます。外部システムを遅くするクエリーは、Yellowfin自体が遅いという印象を与えかねません。そのため、多数の同時接続ユーザーが生成する可能性のある多数のデータソース要求に同時に対応できるように、外部データソースを適切にプロビジョニングすることを推奨します。
機能的アプリケーションサーバの要件
Yellowfinを機能させるためには、最低限の仕様を満たす必要があります。Yellowfinサービスは、以下のサーバ仕様から開始することができます。
要件 | 最小機能仕様 |
プロセッサ | 1×シングルコア 1 GHz 32-bit CPU、またはそれと同等 |
RAM | 2 GB(Yellowfinに1.4 GBを割り当てます) |
ハードディスク | 1 GB空き容量 |
OS | 1.7 Java仮想マシン(JVM)をサポートできる任意のオペレーティングシステム |
データベース | 同一サーバ上のローカルデータベース |
注意:こちらの仕様は、単一の同時接続ユーザーにのみ推奨されます。いくつかの機能(マップ生成、自動インサイト)の使用や、大容量データからのレポート作成は、マシン遅くする可能性があり、その場合はYellowfinのメモリ使用量も増加することになります。Yellowfinに割り当てることのできるメモリ量に厳しい制限がかかるため、32-bitマシンの使用は推奨されません。
推奨されるアプリケーションサーバの要件
以下に推奨されるサーバ構成は、概ね25同時接続ユーザーが、平均的なコンテンツを処理する場合を想定しています。
要件 | 推奨最小仕様 |
プロセッサ | 1×クアッドコア(8スレッド)3GHz 64-bit CPU、またはそれと同等 |
RAM | 8 GB (Yellowfinに7GBを割り当てます) |
ハードディスク | 5 GBの空き容量 |
OS | Windowsサーバ、Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux Enterpriseサーバ、またはUbuntuサーバLTS |
Java | JRE 1.7以降 |
ウェブアプリケーションサーバ | Tomcat |
ウェブサーバ | Tomcat |
注意:こちらは、オペレーティングシステム以外にサーバ上で実行されている重要なソフトウェアが無い場合のYellowfiサーバの仕様です。同一サーバ上でのデータベースや、他のソフトウェアの実行は、推奨される最小仕様を満たすために、追加のRAMやCPUが必要になります。
推奨されるリポジトリデータベースの要件
Yellowfinは、Yellowfin内のコンテンツやユーザーのメタデータを保存するために、データベースを要求します。このデータベースは、Yellowfinアプリケーションとは別のサーバに配置することを推奨します。
要件 | 推奨最小仕様 |
プロセッサ | 1×デュアルコア(4スレッド)3 GHz 64-bit、またはそれと同等 |
RAM | 4 GB |
ハードディスク | 15 GB(SSD、またはRAID構成のストレージが望ましいです) |
データベース | Yellowfinは、アプリケーション構成データベースとして使用するために、以下のいずれかのデータベースを要求します。
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レポーティングデータベースの要件
多くの場合、Yellowfinがプロビジョニングされる前に、レポーティングデータベースが存在する可能性があります。これは、トランザクションデータベース、またはデータウェアハウスです。いくつかの環境では、単一のYellowfinインスタンスの接続先に、複数のデータソースが存在する場合もあります。これらのデータベースシステムは、Yellowfinが生成するクエリーを制御できることが重要です。5つのレポートを含む単一のダッシュボードは、レポーティングデータベースへ同時に5つのデータベースクエリーを生成することを把握しておかなくてはいけません。これらのクエリーを素早く完了できるようにすることで、ダッシュボードを合理的な時間内で読み込むことができます。
要件は、使用されているデータベースシステムや、システム内のデータ量に応じて異なります。例えば、10,000行のデータを含むMySQLインスタンスは、同一ハードウェア上に配置された10,000,000行のデータ含むMySQLよりも、格段に素早くクエリーを実行することができます。
HP VertiaやSybase IQ、Actian Vectorのような高速分析用データベースは、同一データ量を持つ同一ハードウェアスペックのRDBよりも、迅速にクエリーを実行することができます。
トランザクションシステムに対してレポートを作成する場合、レポート作成をサポートするために、カラム(列)にインデックスが設定されていることが重要です。トランザクションのインデックスは通常、IDカラム(列)にあり、レポートクエリーは、ディメンション(次元)カラム(列)によりフィルターされます。
クライアント要件
クライアントマシンは、ユーザーがYellowfinに接続するための端末です。ユーザーは、ウェブブラウザを介してYellowfinに接続します。Yellowfinレポートの中には、容量が大きいため、ブラウザでのレンダリングにメモリやプロセッサを要求します。Yellowfinは、JavaScriptを広く利用しています。これらのコードはブラウザで実行され、プロセッサを要求します。
ユーザーごとに、デスクトップ上で(異なるメモリとCPU要件とともに)異なるプログラムを同時実行しているので、クライアントマシンに推奨される仕様を提示するのは困難です。以下は指標として参照いただけますが、他にリソースを消費するプロセスがコンピューター上で実行されていないことを前提にしています。
要件 | 推奨最小仕様 |
クライアントプロセッサ | 1×2 GHz デュアルコア(4スレッド)CPU、またはそれと同等 |
クライアントRAM | 4 GB |
ウェブブラウザ | サポートしているブラウザは、以下の通りです。
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PDFリーダー | PDFファイルを参照するために、Adobe Acrobat ReaderのようなPDFリーダーが要求されます。これは、YellowfinレポートをPDFで出力する場合に必要となります。 |
同時ユーザーのサーバ要件
以下の情報は、適度な使用率で、Yellowfinを基本的なシナリオで使用した場合のベンチマークに基づいています。Yellowfinでは、ご使用になるレポートコンテンツや、エンドユーザーの習慣に基づくハードウェア要件を把握するために、導入の初期フェーズで独自のベンチマーク実施を推奨します。
推奨される最小仕様は、同時接続ユーザー数と、バックグラウンドタスクの最小使用量に基づいています。
ユーザー数 | CPU要件 | RAM要件 |
開発・デモンストレーション | 1×2 GHz デュアルコア(4スレッド)、またはそれと同等 | 2 GB(Yellowfinに1.4 GB割り当てます) |
25より少ない | 1×3 GHz クアッドコア(8スレッド)、またはそれと同等 | 8 GB(Yellowfinに7 GB割り当てます) |
50 | 1×3 GHz 8コア(16スレッド)、またはそれと同等 | 16 GB(Yellowfinに15 GB割り当てます) |
150 | 1×3 GHz 16コア(32スレッド)、またはそれと同等 | 32 GB(Yellowfinに30 GB割り当てます) |
注意:上記の表は、単一サーバの要件を表示しています。Yellowfinサーバはクラスタ構成を構築することで、複数の小規模サーバへ負荷を分散することができます。例えば、150同時接続ユーザーを有する場合、単一の16コアマシンではなく、4クアッドコアのクラスタサーバで制御することもできます。